沖縄の民話 「ままこ伝説」②

沖縄県宮古島市の下地島西岸にある「通り池」。直径、水深とも50m級の大きな円形の池が2つ並んでおり、「下地島の通り池」の名でも知られる景勝地です。国の名勝及び天然記念物にも指定されているここは、一見2つの池が並んでいるように見える池ですが、実は地下で繋がっていて海に近い方の池は海と通じています。その特徴から多様な魚介類が生息しており、沖縄旅行者にも人気のダイビングスポットとなっています。

この通り池には、古くから伝わる「継子(ままこ)伝説」という話があります。

あるところに、妻を亡くした男がいました。
男にはまだ小さな息子がいたので、父ひとり子ひとりでは不安だ、と後妻をもらいました。
後妻は男の子を始めは可愛がっていましたが、やがて実子を産みました。
後妻は実子である弟だけを溺愛するようになり、継子であった兄がだんだんとうとましくなってきました。
「他人が生んだこの継子に、この家を継がせてなるのものか!」
後妻の継子への憎しみの思いは、日ごとに増してゆきます。
ある日、後妻は兄弟2人を「散歩に行こう」と誘います。
子ども達は、喜んで母のあとについていきます。行き先は「通り池」でした。
池のほとりで昼食をとったあと、3人はうたた寝をします。
後妻が目を覚ましたとき、日は落ちてあたりは闇に包まれていました。通り池の周囲には人家はなく、月明かりだけが薄ぼんやりと灯っていました。
後妻は、うつ伏せで寝ている兄を抱きあげると、そのまま池に放りこみました。
すぐさま弟を起こそうと身体を揺さぶると、月明かりに照らされたのは、なんと兄でした。
実は、兄は後妻からいつか殺されるのではないかと感じており、後妻が寝ている間に弟の服と自分の服をすり替えていたのです。
後妻は、池に投げ入れたのが実子と知ると、泣き叫び自分も池に飛び込みました。